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山本 哲哉*; 山本 和喜; 松村 明*; 熊田 博明; 岸 敏明; 堀 直彦; 鳥居 義也; 堀口 洋二; 能勢 忠男*
JAERI-Research 2002-011, 56 Pages, 2002/05
本研究では、JRR-4熱外中性子ビームに対する放射線生物学的評価によりその特性を明らかにし、熱外中性子ビームによる開頭BNCTに向けた課題と方向性について検討する。熱外中性子ビームについて、フリービーム条件と水ファントム条件での物理線量測定並びに生存率測定を行い、BNCTにおける各線量成分(速中性子線量,窒素線量,線量,ホウ素線量)とそれぞれの生物学的効果比(RBE,RBE,CBE)を算出し、混合中性子ビーム及び従来の熱中性子線主体の熱中性子ビームと比較した。ホウ素線量に対する生物学的効果比CBEでは、ホウ素化合物による違いも検討に加えた。フリービーム条件では、B存在・非存在下の全ての細胞生存率測定において、同一物理線量に対して熱外中性子ビームで最も高い細胞致死効果を認めた。JRR-4熱外中性子ビーム,熱中性子ビームI、熱中性子ビームIIのそれぞれに対するビーム単独RBE値は1.220.16,1.230.16,1.210.16,RBE値は2.500.32,2.340.30,2.080.28,CBE値は3.990.24,3.040.19,1.430.08であった。本研究で示したRBEの実験的決定法は異なるBNCT臨床研究間の中性子ビーム比較に応用できる。